Treatment
診察日時 | 毎週火曜日 9:00~13:00 (完全予約制) |
診察場所 | 東棟外来(新東棟)1階 |
担当医師 | 辻医師 |
予約窓口 | 「骨粗鬆症外来」受診希望とお申し付けください。 096-344-3000(代表) 【予約時間】平日(月曜~金曜)13:00~16:00 |
骨粗鬆症は、加齢や閉経、現在かかっている病気など複数の原因が組み合わさって、骨がスカスカ(骨の量・質の低下)になる疾患です。
痛みもなく自覚がないまま、ちょっとした負担で背骨が徐々につぶれ圧迫骨折することもあります。背骨が曲がる・背中がまっすぐ壁につかなくなる・身長が縮むのは圧迫骨折が原因と思われ、転倒・骨折しやすい状態になっています。
転倒によって骨折しやすい個所は、太ももの付け根(大腿骨近位部)が多く、歩行困難・要介護の要因となりえます。
2016年10月より、火曜日の午前中に完全予約制で診療を行っております。
骨粗鬆症の診断には、問診、背骨のエックス線検査、骨密度検査が、必要となります。立った高さからの転倒などの軽微な外力で大腿骨近位部や背骨、もしくは原因がなく背骨の骨折があれば、それだけで骨粗鬆症と診断されます。また、骨密度検査で若い人と比較して70%以下であれば、骨粗鬆症と診断されます。骨粗鬆症と診断されれば、血液検査を行い、腎臓の機能、カルシウム代謝、ビタミンD、骨代謝マーカー(骨を作る・壊すスピード)などを確認します。これまでの骨折、骨密度の測定値、年齢、性別、通院頻度、認知症の有無など、重症度と生活背景を考え、治療薬を提案し、薬の効果、副作用の可能性などを説明し、納得いただいたうえで、治療を開始します。通院頻度は使用する薬にもよりますが、1~6か月に一度です。骨粗鬆症外来では、理学療法士が転倒予防のための運動指導、管理栄養士が現在の食生活を確認したうえで、骨に良い栄養指導も行っています。
また、骨粗鬆症の治療を開始した患者さん方の貴重なデータを活用し、次に治療を開始する患者さん方に活かすように努めています。積極的に、学会、講演会等でも発表をしています。
50歳以上で
・これまでに骨折をしたことのある方
・閉経後の女性
・身長が縮んだり、背中が曲がってきた方
・運動不足の方
・ステロイドを使用している方
気になる方は、検査を受けてみてはいかがでしょうか?
日本の高齢化率は世界で最も高くなっています1)。2022年(令和4年)には65 歳以上の方のいる世帯の中で、お一人暮らし、夫婦二人暮らしの割合は63.9%となっています。これは1986年(昭和61年)と比較すると約2倍です2)。高齢の方でも自立した生活を送ることが求められます。
骨折を起こすと、身体機能や認知機能が低下します。2023年に行った私たちの調査では、自宅で生活されていた方々が大腿骨近位部(股関節部)骨折で当院に入院した場合、その約2割が退院後に施設に入所されるという結果でした3)。脳卒中、認知症など、高齢者が自宅で生活できなくなる病気がありますが、骨折も例外ではありません。先の大腿骨近位部骨折は、ほとんどの方が転倒で受傷します。当院の外来に通院される骨粗鬆症の患者さん312名(平均年齢77.5歳)を対象とした2年間の調査で、1年間に転倒した方は53名(17%)で、38名(12%)の方は2回以上転倒し、年齢が高くなると転倒する割合が増加することがわかりました4)。
高齢の方の骨折の多くは、骨粗鬆症が原因です。骨粗鬆症は薬、運動、食事で治療が可能です。骨折を起こすと、次の骨折を起こしやすくなります(骨折連鎖、ドミノ骨折)。骨折を起こした場合は、次の骨折を予防するために、直ちに骨粗鬆症治療を行いますが、それ以上に重要なのが、骨折を起こす前の骨粗鬆症治療と考えます。できるだけ早い時期に診断し、治療を行い、高齢となっても骨折のない生活を送っていただきたいです。
『いつまでも自分の足で歩き、住み慣れた家で自分らしい暮らしをするために。』
元気で生活できるように、皆でサポートします。
1)UN,World Population Prospects:The 2022 Revision
2)厚生労働省:2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況
3)辻ら:第25回日本骨粗鬆症学会.2023
4)辻ら:第24回日本骨粗鬆症学会.2022
骨粗鬆症の治療には、薬剤だけでなく、骨を強くする栄養価の高い食事と骨折原因である転倒の防止(運動)が重要です。
当院の骨粗鬆症外来では、医師の他、多職種連携の上しっかりサポートいたします。
全身骨密度測定装置により、正確な骨密度を測定することが可能です。