Treatment
当院ではがん患者リハビリテーション料を算定しています
がんのリハビリテーションは、機能障害・能力障害を維持・改善することで、以前の生活を取り戻し、生活の質(QOL: quality of life)を改善すること目的に行われます。がんになると、がんそのものや治療に伴う後遺症や副作用などによって、さまざまな身体的・心理的な障害が生じます。がんのリハビリは、がんと診断されたときから、障害の予防や緩和、あるいは能力の回復や維持を目的に行います。欧米では、がん医療の重要な一分野としてリハビリが認められており、日本においても平成22年より新設された新しいリハビリテーションです。
当院では、平成23年より研修を終えたチームが中心となり、がんリハビリテーションを開始しました。総合病院として様々な種別のがんに対応し、急性期病棟から緩和ケア病棟まですべての病期で理学療法士、作業療法士、言語聴覚士によるリハビリテーションを実施しています。
がんの治療や進行の過程において、生じる機能障害、食事、身の回り動作、歩行などの日常生活動作の障害は、生活の質(QOL: quality of life)を低下させます。当院では、急性期病棟、地域包括ケア病棟において、機能回復を目的としたリハビリテーションを行います。また、退院前にご自宅への訪問指導等も行いながら、ご自宅に退院した後も安心して社会に復帰しQOLの高い生活を送ることができるように援助を行います。
緩和ケア病棟においても、可能な限りご家族との時間を共有し、その人らしいQOLの高い生活が行えるように援助を行い、緩和ケア病棟からの一時帰宅や退院等の支援も行っています。
当院には、訪問リハビリテーション、訪問看護、通所リハビリテーション等の在宅系サービスもあり、退院後も継続したリハビリテーションが可能です。
がんそのものによる障害や、手術その他の治療過程で生じた障害に対して運動療法や物理療法を用いながら、基本的動作能力及び日常生活動作の維持・回復を図ります。
手術・化学療法前より行うリハビリテーションにおいては、術後・治療後の合併症を防ぎ、機能障害の低下を最小限に抑え早期退院を目指します。また、疼痛に対する疼痛軽減を目的とした徒手療法、物理療法等の緩和的リハビリテーションや、がん悪液質(cancer cachexia)に対するレジスタンストレーニングなどのリハビリテーションを行います。
がんそのものによる障害や手術・化学療法とうの治療過程で生じた障害に対し、その人らしい生活を送ることが出来るように作業活動を通して、日常生活動作や趣味活動等を行うための能力の維持・向上に努めます。
必要に応じて、日常生活動作の代償手段として自助具の選定・作成や家屋改修の提案、ADLシュミレーターを用いた実際の動作練習等を行い疲労の軽減や動作獲得を目指します。手術・化学療法等がん治療においては肉体的、精神的負担が生じます。作業活動は心身の緊張の緩和等にも効果があり、入院中の心のケアも実施します。
コミュニケーションや食べることは非常に重要な身体活動です。言語・嚥下に関する専門職として、コミュニケーション障害や嚥下障害の評価、訓練、指導を行っています。コミュニケーションの障害に対しては、言語機能や発声器官の運動機能障害の改善を図り、コミュニケーション能力の維持・向上を目指します。食べること(摂食嚥下)に対しては、当院言語聴覚療法科一丸となって取組み、耳鼻咽喉科医師と協同し嚥下内視鏡検査(VE検査)・嚥下造影検査(VF検査)等の客観的評価を取り入れながら嚥下療法を実施します。
消化器外科医と共に手術・化学療法、緩和的治療を行っている方の状態を確認するため、病棟にてラウンドやミーティングを行っています。
整形外科医師による整形外科回診において、骨転移患者に対し医師とリハビリテーション、看護士によるSREC (Skeletal related events conference)を実施しています。