Treatment
SST とはSwallowing(摂食嚥下) Support(サポート) Team(チーム)の頭文字をとった略称です。嚥下とはモノを飲み込む事をいいます。
耳鼻咽喉科医師と言語聴覚士を中心に、看護師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、歯科医師、歯科衛生士など多職種で構成されている医療チームです。
当院のSST は2017 年4 月に発足しました。入院中の患者様が安全に口から食事をとって頂く事、「誤嚥性肺炎(※1)」を予防して頂く事を目的として、チームで嚥下機能の診断と治療を行っています。
飲み込みの力が衰えたり、弱くなったりして食べ物や唾液が食道ではなく気管に入ってしまった場合、通常はむせて気管から排出する反射機能が働きます。しかし、この機能が鈍ってしまうと、気管に入り込んでしまった物を排出できず、結果として肺炎を起こします。
このように、嚥下機能(飲み込みの機能)が衰えることにより食べ物や唾液などが気管に入ってしまう事を「誤嚥」といい、誤嚥が原因で起こる肺炎を「誤嚥性肺炎」といいます。
肺炎発症・再発の予防を目的とし、「嚥下機能の評価(※2)」を行い、患者様に応じた食事形態の選択、食事摂取・介助方法の検討および飲み込みの指導を行います。また、患者様の状態に応じた栄養の摂り方の検討を行います。
嚥下機能の評価として嚥下内視鏡検査を実施しています。検査では、ファイバースコープと呼ばれる細いカメラを使用して鼻からカメラを挿入します。そして実際に食べ物や飲み物を飲み込んで頂き、飲み込みに必要な喉の動きや食べ物の動き、食べ物が残っていないか、誤嚥の有無を確認して、飲み込みの力を評価します。
対象の患者様を回診し、嚥下内視鏡検査を実施し嚥下機能を評価します。また、月に1度カンファレンスを開催し、耳鼻咽喉科医師を始め、多職種で嚥下機能や食事内容について話し合い、誤嚥性肺炎の予防と患者様の状態に応じた食事の摂取方法の提供をしています。
高齢になると手足の筋力や能力の衰えと共に嚥下機能も低下し、誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。そのため、誤嚥性肺炎を起こす前に予防をすることが大切です。
口から食事を摂取する能力を維持するための安全な食事の提供や工夫に努めています。